親権問題
親権とは
親権とは、未成年の子供の身上の世話と教育を行い、また、子供の財産の管理を行うために、その父母に認められる権利及び義務のことです。
例えば、子供の健康管理や教育、生活費の管理、住居や就学先の決定などがあります。
親権は大きく分けて、子供の面倒をみる“身上監護権”と、子供に代わって財産管理や契約などを行う“財産管理権”の2種類があります。
財産管理権
子供の包括的な財産管理
未成年者である子供の財産について管理し、その財産に関する法律行為についてその子を代表します。
具体的には、銀行口座や不動産など、子供が所有するあらゆる財産に対して、法定代理人として管理や取引を行うことができます。
子供の法律行為に対する同意権
未成年である子供が法律行為を行う際に、法定代理人が同意を与えることが必要な権利のことです。
例えば、子供が債務を伴う契約を締結する場合、親が同意していなければ取り消すことができます。
身上監護権
子供への懲戒権
子供のしつけをする権利
居所指定権
子供の居所を定める権利
職業許可権
子供の職業を許可する権利
身分行為の代理権
子供の身分法上の行為を行うにあたっての親の同意・代理権
例えば、15歳未満の子供を養子とする場合、子供に代わって親権者が養子縁組の承諾をします
親権者を決めるポイント
子供の最善を考えること
家庭裁判所が親権者を決める際には、子供の福祉が最も重視されます。
つまり、子供が健康的に、安全に、そして幸福に育つために必要な環境や条件を考慮して決定されます。
養育の実情
親権者を定める際には、それまでの監護養育の実情が考慮されます。主として誰が、どのように子供を世話し、育ててきたのかということです。
親の能力
親権者を決める際には、親の育児能力や子供を養育する能力が重視されます。
例えば、子供の健康や安全を確保するために必要な食事や医療の提供ができるか、子供の教育についての考え方が適切であるかなどが考慮されます。
親の経済力
専業主婦だから、あるいは、夫より収入が低いから親権は取れないのではと心配される方がおられます。
もちろん経済的事情を度外視することはできませんが、親権は収入の有無や多寡だけで決まるものではありません。
子供が心身ともに健全に育つには、どちらが養育監護するのが適当かという観点から判断されます。
悩む前に、まずは相談にお出で下さい。